健康のひけつ
ニコチン依存症、それは病気です

タバコが健康に悪いとは知りながら、禁煙に取り組めないあなた。禁煙に何度もトライしたものの挫折したあなた。あなたは「ニコチン依存症」の可能性があります。

ニコチン依存症は病気です。ですから、自分の意志だけで禁煙するのは難しいのです。病気なのですから、きちんと治療が必要になることもあります。まずは以下のTDS(Tobacco Dependence Screener)でニコチン依存の有無を判定してみましょう。

TDS(Tobacco Dependence Screener) はい
(1点)
いいえ
(0点)
Q1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
Q2 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
Q3 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
Q4 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか?
・イライラ・ゆううつ・脈が遅い・神経質・頭痛・手のふるえ・落ち着かない
・眠気・食欲または体重増加・集中しにくい・胃のむかつき
Q5 Q4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
Q6 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
Q7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
Q8 タバコのために自分に精神的問題が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか?
Q9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
Q10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?
合計

禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。

Kawakami, N. et al.:Addict Behav 24(2):155, 1999 より引用

合計点が5点以上でニコチン依存症と判定されます

  1. 上記TDSでニコチン依存症と判定
  2. 一日の喫煙本数×喫煙年数≧200
  3. すぐに禁煙を開始する意志がある

以上にあてはまる方は健康保険の適用での治療が可能と思われます。
一度禁煙外来を受診されることをお勧めします。

更新日:
2016年11月10日
著者:
明治安田新宿健診センター 医師 山下陽子
元記事名:
医師のコラム
第6回:ニコチン依存症、それは病気です